関西ユーモアご利益紀行

 

ワガママをかなえてくれる「おかめ塚」

 

悲惨なのは独身男でござい。

 

過去30年で結婚適齢期層の未婚率は3倍に増えたが、

結婚を望まない女性が増えたのに比べて男性は結婚を望んでも

できないケースが急増。

 

未婚の女性が負け犬なら、男はそれ以下、犬のクソってか?

こうなりゃ神仏にでもすがろうってんで、やって来たのは

京都市上京区の上七軒。

 

千本釈迦堂

 

正しくは大報恩寺だが、「千本釈迦堂」の呼び名の方が有名だ。

現存する本堂は鎌倉時代創建当時のまま。

 

京都で最も古い木造建築で国宝だ。12月7日、8日に行われる

“大根だき”は中風、ぼけ封じの厄よけに全国から約1万人も

集まる京都の代表的な民間信仰の一つ。

 

行列に並ぶのは高齢者だけでなく最近は大根を持ち帰り

高齢の親に食べさせる人が増えたという。

高齢化社会の一端が垣間見えるのである。

 

さて、その境内に一人の女が祭られている。

それが「おかめ塚」だ。

 

おかめ塚

 

男にとって最高の福の女神

 

今や国宝となった本堂を建てた大工は当初、

誤って柱を1本短く切りすぎてしまった。悩む大工に妻が

「柱を同じ長さに切りそろえては」と助言。

 

本堂は無事完成したが、亭主の失敗を他言してはいけないと

妻は自害してしまう。それが阿亀(おかめ)という女性。

以来、千本釈迦堂のおかめさんは全国の大工の守り神となり、

男の望みを何でもかなえてくれる福の神となったそうな。

 

どうにも男に都合が良すぎてフェミニストが聞いたら卒倒しそうな

話だが、遠い遠い鎌倉時代の逸話なんだから仕方がない。

 

良縁を授けてくれる神社仏閣は全国に数多あれど、こんなに男に

都合のいいご利益の話はたぶんここだけ。

 

さすがに男女平等の今では人聞きが悪いのか、どの

ガイドブックを見てもご利益は夫婦円満ってことになっている。

 

昔はそうじゃなかったのだ。

独身君は拝んでみるとよろしかろう。しかしおかめさんみたいな

女を待ってたら一生独身かもしれないが。

阿亀桜

 

 

 

 

 

 

 

※市バス上七軒バス停下車徒歩3分。