ちょっとブキミな縁切り縁結びの石碑
「不倫にご利益あり!?」
境内に変わった縁結びの石碑があるというので
清水寺にほど近い京都東山の「安井金刀比羅宮」を訪ねた。
ご利益の由来は保元の乱(1156年)で敗れ流刑となった
崇徳上皇の怨念が都で暴れるのを鎮めたことから来たとか。
怨念を切る、縁切り。転じて縁結び。で、
切ると結ぶ、両方のご利益があるというのが本殿脇にある
縁切り縁結び碑(いし)だ。
しかし肝心のその石碑がどこにも見あたらない。
参拝していた近所の女性に聞くと、
「ほら、あれですよ」
これかい? 何じゃこりゃー。
白いお札がビッシリと貼られたブキミな物体。
何とこの中に高さ1・5㍍ほどの石碑が隠れているのだ。
その全体像はまるで水木しげるの描く妖怪のよう。
チト気味が悪いのを我慢して中をのぞくと、丸い穴の開いた石が
あった。その穴を表から裏へくぐり抜けると縁切りのご利益。
逆に裏から表へくぐると縁結びになるという。
白い紙の札は形代(かたしろ)といって、石をくぐった後にその願
いを書いて貼ると成就する。ちなみにこうしたくぐり参拝の多くは
女性の胎内を表してるそうです。
が、実際ここで目に付くのは
縁切り祈願。奉納絵馬に書かれた
願い事を読んでくと、コ、コワ~イ。
「主人恵一と一日も早く縁が切れますようにお願いします。
かずこ」 その後離婚できましたか、かずこさん?
「ひろが妻と子供3人一日も早くもめずに縁が切れますように
(以下略)ちほ」 ちほさんは略奪愛しちゃう腹らしい。
それにしても多いのが亭主と縁を切りたい、浮気相手と一緒になり
たいといったメラメラと情欲燃えるような願い事。浮き世のドロド
ロした男女関係が絵馬になってここに浮かび上がっているよう。
数の多さからすると不倫成就のご利益はかなり期待できる?
ちなみに女性に人気の作家・田口ランディの短編「縁切り神社」の
舞台はこの神社だ。
境内には絵馬館(500円)があり珍しい時代
物や有名人の絵馬なども展示している。
※京阪四条から徒歩約15分