関西ユーモアご利益紀行

美人になってください ♪

 

 

観光や初詣に人気の祇園、八坂神社。

八坂神社

 

日本三大祭りの一つ「祇園祭」を祭礼としているのは有名だが、

実のところ観光スポットとしてさほど珍しいものがあるわけでは

ない(と個人的に思う)。

 

それでも観光客は多く、「これが八坂神社か…」と通り過ぎる

ことが多い。しかし、この八坂神社にも隠れたご利益スポットが

あるのだ。

 

本殿裏手にある「美御前社」である。

 

夕暮れの頃に参拝する女性の姿が目立つ。夜の祇園界わいで働く

人たちだ。この小さな社は呼び名の通り「美」を祭っている。

 

祭神は市杵島比売(いちきしまひめ)、多岐理比売(たぎり

ひめ)、多岐津比売(たぎつひめ)という美しい三人の女神だ。

 

神話と古代語の話をしよう。

 

美御前社父伊弉諾(イザナギ)の怒りを買い、

高天原を追われることになった素戔嗚(

スサノオ)が姉の天照大神(アマテラス)

に別れを告げに来た。

 

乱神として知られる素戔嗚の来訪に

天照大神は「これ悪心あり」と自ら出兵。

 

姉の剣幕に驚いた素戔嗚は「子を産んで証明します」と誓った。

天の安河を挟んで向かい合った両者は、まず天照大神が素戔嗚の

剣を取り、これを三つに折り、天真名井の水で清めてから口に入れ

吹き出した。

 

その霧から生まれたのが、市杵島比売、多岐理比売、多岐津比売。

同様に素戔嗚も五人の神を生み、悪心のないのを証明したという。

 

天照大神の口から生まれた三人の女神の中でも格別に美しかったの

が、市杵島比売だそうである。この市杵島比売の役目は今も神事に

伝わっている。

 

斎王(いつきのひめ)だ。伊勢神宮や葵祭の祭礼の主役である

美しい巫女、斎王代(さいおうだい)とは、市杵島比売の代役、

あるいは継ぐ者という意味だ。

 

美容水広島の厳島神社は古くは市杵島とも書き、

神に仕える者の島の意味だったという。

 

市杵島とは美神の名前であり、

「いつきしま」む、つまり、「慈しまむ」

「愛しまむ」という情愛も示す古語だったのだ。

 

美と愛を信奉するそんな小さな社が八坂神社にはある。

ちなみに、脇にある「美肌の水」は肌に数滴つけると

ご利益があるという。

 

美御前社

 

※京都市バス祇園下車すぐ。